尾関章

サイエンスカフェという言葉が、だいぶ知られるようになってきた。僕が思い描くイメージは、いろんな人が喫茶店のようなところに集まり、さりげなく科学の話を交わす、といった感じなのだが、そんな雰囲気をつくり出すのはなかなか難しい。どうしても科学教室風の啓蒙感が漂いがちだ。 科学メディアに身を置く者として、僕自身も脱啓蒙のカフェをぜひやりたいのだが、果たしてほんとうに楽しそうにお客さんが訪ねてきてくれるものか自信がもてない。 。。。 実験や観測に巨費がかかる一方、研究費のパイをどう分け合うかが焦眉の論点となる今、科学者ではない納税者がどんな知的冒険を望んでいるかも公の場で論じ合われるべきだろう。こんなテーマのサイエンスカフェは、どうしたらできるのだろうか。